たまごビル健康講座                    平成28年9月10日

     エンディングノート
         死の準備を通してイキイキと生きる!

        講師  戌亥 正三郎 先生 

 【一般財団法人石垣ROB医療研究所
     理事長 石垣 邦彦 先生   】


あの世へのお迎えが来るのはわかっていることですが、それを認識することで、どのように
生きていくか定まってくると思います。
癌の患者さんやいろいろな病気の患者さん、高齢の患者さんがいらっしゃいます。
残された人生を、ご自分の死をみつめて、ご自分の残された人生をイキイキと生きて
いただきたいと思います。


 
 【冠婚葬祭総合コンサルタント
      戌亥 正三郎 先生    】


 冠婚葬祭の総合コンサルタントをされています戌亥 正三郎(いぬい しょうざぶろう)先生
です。ゆりかごから墓場までコンサルタントをされています。今回はエンディングノートです。

エンディングノートの歴史
平成8年につくられました。しかし、普及しませんでした。
松下電機労働組合の委員長の高畑氏が、遺族の方が困っている現状を見て、作りました。
その後、コクヨから文具屋さん、本屋さんで販売してブームになりました。そして映画にも
なりました。

エンディングノートは多くの人が知っていたり持っていたりしますが、書いている人は7%
しかありません。
なぜエンディングノートは書けないのでしょうか。

 
 【臨死体験】

 ここで、戌亥さんから、臨死時の体験指導がありました。
目をつぶり、臨死状態の時にうかぶ事柄です。

  本当に愛する人に、ありがとうと言いましたか。
  行きたいところ、ふるさと、お墓まいり、思い出の場所に行ったでしょうか。
  子供さんや家族に、言いたいことは言ったでしょうか。
  ぜったいこの人に会いたいと思った人に会ったでしょうか。
  財産・遺産などをうまく処分できたでしょうか。
  葬儀の準備はできていますか。
  エンディングノート書きましたか。
  ご先祖様、お父さんお母さん、祖父母に感謝しましたか。
  もしも、死ぬときの自分に何と言ってあげたいですか。
  もう思い残すことはありませんか。

人間の命は、明日が分かりません。年寄りから順番に死ぬとは限りません。
まだやっていないことが有れば、今なら間に合います。


     
 
【生前整理】

 エンディングノートを書く前にやっておかなければならないことは、整理です。
半年1年使っていない要らない物は整理しておきましょう。
遺品整理屋さんが話題になっています。遺品整理は高額の費用が掛かり、亡くなってから高額のお金が必要に
なります。ぜひ、生前整理をしておきましょう。

【エンディングノート】

エンディングノートは死の準備だけではありません。自分の思いと、残された人への思いを書いておくノートです。
現在は人の寿命が延びて第二の人生があります。先に臨終の準備をしておき、それから、安心して第二の人生を
楽しめばよいのです。
    
      エンディングノート  八光殿

             エンディングノート  八光殿
                 いざというときに
                 大切な人へ
                 あなたにのこすもの
                 わたしの物語り


 【葬 儀】

葬儀はファイナルセレモニーと言われます。亡くなった方は終わりです。しかし、残された遺族にとっては
始まりの行事です。

冠婚葬祭は礼儀です。今礼儀がなくなっています。
  結婚式で両親を呼ばない。父母に感謝しない。
  葬儀で直葬(葬儀をしないで焼くだけ)
  墓が無い(納骨堂・自然葬)

あの世は彼岸(ひがん)と言い、私たちが住んでいる所は此岸(しがん)と言います。

  葬 儀 とは、亡くなった人(魂)をあの世に送るための儀式です。
  告別式 とは、死者(体)にお別れをする儀式です。

現在葬儀をしない事が増えてきていますが、亡くなった人の魂を送るのが葬儀で、大切な儀式です


 自分の番 いのちのバトン 

   父と母で二人
   父と母の両親で四人
   そのまた両親で八人
   こうしてかぞえてゆくと
   十代前で千二十四人
   二十代前では ---?
    なんと百万人を超すんです

   過去無量の
   いのちのバトンを受けついで
   いまここに
    自分の番を生きている
   それが
    あなたのいのちです
   それがわたしの
    いのちです
         
        みつを

  
            相田みつを 「自分の番 いのちのバトン」


人間は切れることなく、いのちがずっと続いて今があります。

臨床宗教師の話(NHKクローズアップ現代より)

 信仰を持っていない人は、死の間際に非常に恐怖を覚えます。
 その時、宗教関係者が立ち合い、安らぎをあたえ、おだやかな死を迎えさせていることを
 紹介していました。

 日本人は、信仰を持っていないため、死の間際に恐怖や後悔などで断末魔の叫びをあげる人が
 多いと言われます。そうならないため、日ごろから感謝の気持ちを持ち、信仰もそうですが、精神的に
 安定した生活を送ることが大切です。

エンディングノートはなぜ書けないか
  几帳面すぎて1ページから書こうとしてしまいます。
  書けるところから書いていく。
  相談する。家庭会議の材料とする。
  きらくに思いを書いていく事です。


【納棺体験】   八光殿
 八光殿さんからお棺が用意され、納棺の体験を行いました。
患者さんから「先に入っていたら、長生きするらしい」と声がかかり、どんどん納棺体験が行われました。
 
お棺の中は、意外と暑かった、ほっとした、ゆっくりできた、などの感想がありました