たまごビル 健康で生きる力をつける講座                        平成29年2月18日

         乳幼児期の大切なこと 

            講師 姫路日ノ本短期大学講師
                幼保連携型認定子ども園
                津田このみ学園 

               
園長 井上 裕子 先生


たまごビル 院長 石垣 邦彦 先生  

生まれて、生きて、老化して死んで行く訳ですが、たまごビルでは、その間の人生を楽しんで頂きたいと、治療に予防に取り組ませていただいています。
今回保育園を開園することになりました。そのいきさつは、慢性疾患の発症は生活習慣の間違いから起こっています。そこで、0歳児から良い習慣を身につけることによって、日本の将来を担う子供たちが元気になって病気の予防もできます。そして、その子供たちの良い習慣が次の子供たちへ伝承できます。また、子供から親へも良い習慣が伝承します。
保育は誉と誇りのある仕事です。


 

津田このみ学園 園長 井上 裕子 先生






 
 
子供は日本の宝です

いま日本のあちこちで、保育園を建てようとすると、周辺から反対運動が起こって、建てられなくなった地域もあります。そうではないのです。子供は周辺の人々を笑顔にします。地域の事業を活性化します 。日本の未来を明るくします 。生まれてくれてありがとう!という気持ちで園の誕生を喜びたい気持ちです。

           
 「保育園落ちた!日本死ね!」ネットに書き込みがあり、日本中を大騒ぎさせました。

選挙のための票集めで、高齢者のための施策は積み重ねられていますが、若い人たちが投票に行かないので、
どうしても子供たちの方に目が向かないのです。そして、票になる高齢者施策へだけ向かっていました。

この、ネットの書き込みで日本は慌てました。国も待機児童解消のために、何とかしたいと保育園を立ち上げています。
子育てしやすい国・地域であるべきですが、核家族、少子化傾向がどんどん進んでいます。おじいちゃん、
おばあちゃんといっしょに住みたくない、近隣との付き合いもめんどくさいと、つながりがどんどん減っています。
人や自然と関わる経験も減っています。
女性の社会参加・就労も増え、いまは核家族化や近隣との付き合いもないため、育児の伝承がありません。
母親の育児不安が増え、尋ねるところもなく、ネットに頼るだけのため養育力が低下しています。     
そのほかに、深刻な子どもの貧困問題(子ども食堂) や虐待や、DVが増えています。
   
 ◎混乱する乳幼児教育

早期教育? 英語教育? 遊び中心? マーチングなど音楽教育? 体育中心?
 保護者の過度な期待 → 保育園として保護者対応の難しさが増えています。

        
 家で教えてもらえない。子育てができていない。 → 保育園で教えてください。
様々な子供が園に来ます。基本的なことが出来ない子が増えています。
しかし、早期教育で文字が読めたり、英語の塾に通っている子もいます。

       
 常識や社会のルールは、いったい誰が教えるのでしょうか。以前は、両親に躾けられたリ、地域の人に
しかられ、教えられ学んでいました。社会に出たら他の人から常識を学んでいました。

今、幼児期に家庭で教える人がいません。お母さんができません。お父さんもできません。しつけや教育が
できず、常識が無く、自分の権利だけを主張する世の中に変わってしまっています。
あいさつを全くしない子供や、基本的なことが出来ない子供が増えています。

保育園では、あいさつからはじめ、様々な日常の動作を、遊びながら教えていきます。
今では日常の基本的な、あいさつ、食事、靴を履く衣服を着る・脱ぐ、顔を洗う、トイレ、眠るなどまでも、
家庭と連絡を取って、保育園で教えなければならない時代になっています。

3歳でおむつをしている子供もいます。昔はおむつを取って保育園に来ました。しかしおむつが取れません。
園で取ってくれと言います。お母さんがトイレットのトレーニングの仕方が分からないのです。
子供が嫌がると、どうしていいかわからないのです。
生活習慣も身についていません。

善悪のけじめまでも保育園で教育しなければならなくなっています。
保育園に課せられた役割は大きなものがあります。大きな期待もあります。

保育園の一日

      
 お友達のしていることを見て学んで、自分もしようとします。
担当を決めて、情緒を安定させ、生活習慣を身に付けさせ、先生や友達との愛着関係を作ります。

0歳児は、月齢に合わせて午前睡、授乳、午睡など一人一人違う日課を組んでいます。
  0歳児では月齢により発達が全く違うので注意する必要があります。

おはようございます      あいさつ
室内あそび          つまむことで指先の訓練、積むことでバランスの訓練などをします。
水分補給・おやつタイム  プラスチックではなく、本物の食器を使うことで
                 落とせば壊れることを知り、取り扱いを学びます
戸外あそび  
排泄の習慣と衣服の着脱 子供のやる気を出す手伝い
おさんぽ            手作りの散歩ひもをつかっています。子供の手の大きさに合わせています。
食事              本物の食器で食べます。
昼寝              コットンを使うので、床から少し上で衛生的です。
手作りのおもちゃで興味をもたせる

       

1歳児はイヤイヤの時期。自分で決めることができるようになっているので、イヤイヤを言います。
子供の気持ちを受け入れ、自信をつけさせるようにしていきます。

わらべうた  お友達と一緒に手をつないで歌うことも楽しいことです。
      
        
 3、4、5歳はいろいろな体験を共にすることが大切です。
目標をもって、忍耐強く、目標に向かって、お友達と協同して、作り上げていく遊びの展開が大切です。

英語や算数、音楽などの英才教育をするのも良いことですが、現在はもっと大切なことが有ると言われています。
幼児期の知的教育は一時的でしかなく長続きしないことが明らかになったからです。

算数は答えが出ます、音楽は良い演奏か結果がでます。しかし、数値では出ないけれど、実生活に必要な性格を
「非認知能力」と呼んでいます。

非認知能力
興味や好奇心をもって、目標を決めて、忍耐強く、目標に向かって、お友達と協同して、誠実に努力する性格。

我慢をして、積み重ね、忍耐強く、目標に向かっていく、そして次の課題を自分で見つける、みんなと協調して、
みんなの心が一つになり、思いやったりして作り上げていく経験が非認知能力を育てていくと言われています。
          
 遊びの中で子供はいろいろなことを学んでいきます。
           
 お母さんたちが子育てで悩んでいます。いろいろな世代の人が声掛けやサポートをしていただきたい。
それが結果的に子供たちを心情豊に育てることになります。

【質問】子供のトイレトレーニング  
昔は「モーしてごらん拭いてあげる」と言っていました。
 今はそんなことは言いません。子供には、お尻がどこにあるか分かりません。うんちが出たら、
「いっぱい出たね、元気になるよ」と言って、拭いてあげます。そのうち、「ちょっと手を伸ばし
てみようか」と触らせます。トイレットペーパーの使い方も教えていきます。

トイレットペーパーの長さを決めて、貼っておきます。長さを合わすことを教えます。
トイレットペーパーをいっぱい出したら
  「ダメでしょう!! いっぱい出したら」と怒ってはいけません。
   この長さでしょうと、長さを合わさせ、できたらほめていきます。
 それができたら、少しずつお尻を拭くことを教えていきます。

【質問】トイレ洋式と和式
 公園など外出時和式を使うことになります。和式は、またがなければならないので、
子供は怖がります。どちらも教えていくことが大切です。

【質問】親の教育が必要

 周りの者が声をかけて親睦を図っていくことが大切です。

【質問】怒りますか

 危険な時は叱ります。噛み癖の子などには、かまれたら痛いことを伝えます。

  


たまご保育園のスタッフの挨拶 

   
 
子供たちが、たまご保育園に慣れて、「たまご保育園大好き、先生たちも大好き、友達も大好き」と
思えるような保育園に早くしたいと思っています。

石垣先生がおっしゃっているように、生きる力を持った、体力・気力を持ち、素直にありがとうと言える、やさしさや、
思いやりの心を大切に育んでいきたいと思っています。

友達と一緒に、いろんな活動をすることがほんとに楽しい、うれしいという保育を進めていきたいと思っています。
精一杯職員が一丸となって頑張りますので、よろしくお願いいたします。